〈解説〉比で考える

フェアなコインを何回も投げると

コインを何回か投げたとき、たとえ表の出る確率が0.5であるコインであっても、つまり表と裏が同じくらいに出やすいコインであっても、実際に同じ回数だけ表と裏が出ることはまれです。しかし、大数の法則というのがあるのだから、投げる回数を増やしていけば、いつかは表の出た回数と裏の出た回数の「差」が0になるのだろう、と期待してしまいますが、残念ながらそうはなりません。大数の法則は、表の出る「割合」つまり「相対度数」が、表の出る「確率」に近づいていくと言っているのであり、「差」が0になっていくと言っているのではないのです。

つまり、表が出た回数と裏が出た回数との「比」で考えるのであって、回数の「差」で考えるのではないのです。このシミュレーションでは、コンピュータ上でコインと同じような動作をするプログラムを実行し、コインを投げる回数が多くなっても、表が出た回数と裏の出た回数の「差」は、0に近づくわけではないことを示します。

〈使用方法〉

実験の設定

コイン投げをする回数を100〜2000の間で指定します。初期設定は500です。
表の出る確率を0.1〜0.9の範囲で指定することができます。初期値は0.5です。

実行を押すとシミュレーションを開始し、1回コインを投げるごとに、「表が出た割合」と「表が出た回数と裏が出た回数との差」を計算してグラフとともに表示します。指定された回数だけコイン投げをすると止まります。

回数の差の計算

このシミュレーションでは、回数の差を次の式で計算しています。
(表の出た回数ー(コイン投げの回数×表の出る確率))×2
〈例〉確率0.6で、コイン投げを21回行って、14回表が出た場合→(14-(21*0.6))*2=2.8
これによって、設定した確率通りに表と裏が出た場合との差を計算しています。

設定と実行

コイン投げをする回数:

表の出る確率: