〈解説〉くじ引きの順番と当たる確率
最初に引くか、後から引くか
ちょうど人数分だけのくじがあり、そのうち1本だけ当たりがあるとき、最初に引く方が当たりやすいか、それとも後から引いた方が当たりやすいでしょうか。確率を用いて考えると、「どちらでも同じ」になります。ここではくじが10本あり(くじを引く人も10人いて)、1本だけが当たりであるとして考えましょう。
1人目が当たりくじを引く確率
1人目が当たりくじを引く確率は、10本中1本だけ当たりがあるのですから、\(\frac{1}{10}\)です。
2人目が当たりくじを引く確率
2人目がくじを引くときには、くじは1本減って9本になっていて、その中には当たりくじ1本も残ったままです。したがって、当たる確率は\(\frac{1}{9}\)です。ということは、2人目の方が当たりやすいのでしょうか? いえ、早合点してはいけません。2人目がくじを引くのは、「1人目が当たりくじを引かなかったとき=1人目がハズレくじを引いた時」だけです。1人目がハズレくじを引く確率は、\(\frac{9}{10}\)です。したがって、2人目が当たりくじを引く確率は、「1人目がハズレくじを引く」かつ「2人目が当たりくじを引く」の同時確率で、\(\frac{9}{10}\times\frac19=\frac{1}{10}\)となります。結局、1人目と同じなのです。
以下、同じように考えると、何人目であっても同じ確率になることがわかります。